シネマの流星

映画とは魔法。どこでもドアであり、タイムマシン。映画館の暗闇はブラックホール。スクリーンの光は無数の星たち。映画より映画館のファン

新海誠

星を追う子どもをつかみに〜新海誠の故郷・小海町

新海誠の4作目『星を追う子ども』は、死と旅がテーマ。死はさらに大きなものの一部になることであり、人間は動物や植物の命を奪い、それを食すことで生きている。動物や植物は命を人間に捧げることで、別の大きな存在に変わる。生きる側も生を奪われる側も儚…

『君の名は。』を逢瀬する〜新宿、飛騨、諏訪湖

『君の名は。』は高校生の男女の「入れ替わり」を通して「結び」を描いた新海誠の第6作。直前に制作されたZ会のCM『クロスロード』をプレリュードに様々な要素をクロスさせている。 ひとつが名前。「立花 瀧」と「宮水 三葉」瀧は姓に植物、名に水があり、三…

すずめの戸締まり舞台を旅する〜神戸三宮

宮崎から岩手まで全国を縫う『すずめの戸締まり』の中でも特に重要な地が神戸である。「神の戸」であり、未曾有の大地震があった場所。本作のテーマをクリティカルに表す場所。 三ノ宮は神戸のなかで自然の色が濃い。観覧車で戸締まりを行った摩耶山が隣接し…

天気の子を見上げて〜新宿、田端、高円寺、銀座

令和四年は6月に梅雨がなくなった。『天気の子』の公開から丸3年を迎えた7月19日は、各地を未曾有の大雨が襲った。まるで映画を再現したかのように。『天気の子』の舞台はすべて東京。これは新海誠の7作で唯一のこと。主な舞台は新宿、池袋、田端、そして神…

新海誠と新宿〜映画舞台巡り

新宿を誰よりも愛するアニメーション監督が新海誠。初めて観たのはTOHOシネマズ新宿『君の名は。』。こんなにも新宿を自分の街にしているアーティストがいるのか。ショックと同時に歓喜に震えた。『シティーハンター』と『Get Wild』に憧れ奈良から上京して…

秒速5センチメートルを巡る〜東京、岩舟

桜の季節になると『秒速5センチメートル』が観たくなる。毎日、目覚ましは『想い出は遠くの日々』。3月に入るとソワソワする。作品を見ることはもちろん、舞台となった場所も訪れたい。第2章『コスモナウト』は種子島だが、そのほかは新宿から近い。 西参道…

ほしのこえを聴きに〜埼玉県新座市

20年前の2002年2月2日。下北沢トリウッドで新海誠がデビューした。当時、劇場公開された唯一の映画館であり、南口商店街の路地裏に佇むわずか45席の小さな母胎。ようやく昨年から待ち望んだ『ほしのこえ』の記念上映が催された。 下北沢トリウッド 新座市 ほ…

彼女と彼女の猫をさがしに〜武蔵浦和へ

新宿を愛する新海誠は、新宿生まれの夏目漱石と似ている。夏目漱石のデビュー作が『吾輩は猫である』、新海誠の処女作が『彼女と彼女の猫』 「のんきと見える人々も、心の底をたたいてみると、どこか悲しい音がする」 吾輩は猫であるの一節は、ありふれた日…

雲のむこう、約束の場所を巡る〜津軽と塔のむこう

新海誠の第2作『雲のむこう、約束の場所』の舞台は本州最北端の東津軽郡・外ヶ浜町。令和4年に相次いだ自然現象を『天気の子』で予言していたと言える。8月3日の豪雨に見舞われた津軽半島の北端は土砂崩れにより津軽線がストップ。復旧の目処は立っておらず…

言の葉の庭を訪ねて、春夏冬の新宿御苑

令和六年6月18日、新宿に大雨が降った。火曜日。憂鬱な気分になるが今年は違う。この雨を待ち侘びていた。雨の言の葉の庭に行ける。 雨の言の葉の庭〜Rain〜 言の葉の庭〜夏より 言の葉の庭の春、プリマヴェーラ 雪の言の葉の庭〜Snow Drop 雨の言の葉の庭〜…