シネマの流星

映画とは魔法。どこでもドアであり、タイムマシン。映画館の暗闇はブラックホール。スクリーンの光は無数の星たち。映画より映画館のファン

レッド・サン〜荒野というカクテル

レッド・サン

我らが三船敏郎、俺たちのチャールズ・ブロンソン、私たちのアラン・ドロン。

日本酒(十四代)、バーボン(ワイルドターキー)、赤ワイン(ロマネ・コンティ)をステアしたら「荒野」というカクテルができる。最後にウルスラ・アンドレスというチェリーを添える。シェイクではダメ。余計なことはしなくていい。テレンス・ヤングは名バーテンダー。常識や倫理を逸脱してこそ、砂漠に神話の夕陽は昇る。

悪党が本当にかっこよかった70年代のフェアリーテール。アメリカン・ニューシネマが映画の地盤を押し上げる世相に、東映映画のような無重力、無呪力なパワーをくれる。左利きの拳銃のアラン・ドロンが白い歯を見せるだけでパンチドランカーになる。どこまでも武士道の荒野を征く三船敏郎。売春宿でマリアを抱くか否か。郷にいれば郷に従え。日本刀を抜いてこそ武士の一分。日米合作の瞬間。太陽が昇った。

武士の刀、ガンマンの銃、地上戦と空中戦は荒馬と女でつながっている。時代劇や西部劇は爽やかであってはいけない。どこまでも虚無の地平線をさすらってこそ。

『レッド・サン』の概要

レッド・サン〜荒野というカクテル

  • 公開年:1971年9月15日
  • 監督:  テレンス・ヤング
  • 出演者:チャールズ・ブロンソン、ウルスラ・アンドレス、三船敏郎、アラン・ドロン
  • 撮影:アンリ・アルカン
  • 脚本:レアード・コーニッグ、ローレンス・ロマン
  • 製作:ロベール・ドルフマン、テッド・リッチモンド
  • 音楽: モーリス・ジャール
  • 配給:パラマウント映画、東和
  • 上映:112分

史上最高のラストシーン『さらば友よ』のアラン・ドロン、チャールズ・ブロンソンのコンビが復活。三船プロからパラマウント映画に侍を主役にした西部劇の企画を持ちかけた映画。当初、監督候補はエリア・カザンやサム・ペキンパーもおり、面談して三船敏郎がテレンス・ヤングに決めたという。ペキンパーは既定路線だが、エリア・カザンの演出も観てみたい。

あらすじ

『レッド・サン』の概要

1870年の米国西部。大統領に宝刀が献上されることになり、日本国大使が列車に乗車していた。ところがリンク(チャールズ・ブロンソン)とゴーシュ(アラン・ドロン)の強盗団に襲われてしまう。ゴーシュはリンクを裏切って列車ごと爆破し、宝刀を持ち去る。大使に同行していた黒田重兵衛(三船敏郎)は奪還に7日間の猶予を与えられ、リンクを案内役に立ててゴーシュを追跡する。ゴーシュをおびき寄せるため、売春宿の娼婦でゴーシュの愛人のクリスティーナ(ウルスラ・アンドレス)を使うが、そこに千住民のコマンチ族が襲いかかる。

パラマウント映画の傑作

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