シネマの流星

映画とは魔法。どこでもドアであり、タイムマシン。映画館の暗闇はブラックホール。スクリーンの光は無数の星たち。映画より映画館のファン

菅原文太

『大脱獄』〜自由よりも重い過去がある、雪原の先にある、もっと冷たい檻

『大脱獄』は、1975年4月5日に公開された東映映画。監督・脚本は石井輝男。主演は高倉健。そこに菅原文太が加わり、東映を代表する二人のスターがぶつかり合う、逃亡と復讐のハードボイルドである。網走刑務所を脱獄した死刑囚が、裏切った男たちを追いなが…

『トラック野郎・突撃一番星』〜UFO飾りのトラックが、命を運ぶ夜

『トラック野郎・突撃一番星』は、1978年8月12日に公開された東映製作・配給の日本映画。「トラック野郎シリーズ」第7作で、主演は菅原文太、相棒は愛川欽也。1978年当時のSFブームを取り込み、一番星号にUFO飾りやパラボラアンテナまで載せてしまう、シリー…

『トラック野郎・天下御免』〜自由の顔をした責任、手紙は届かず、荷だけは間に合わせる

『トラック野郎・天下御免』は、1976年12月25日に公開された東映製作・配給の日本映画。「トラック野郎シリーズ」第4作で、主演は菅原文太、相棒は愛川欽也。配給収入12億8197万円を記録し、シリーズ第2作『爆走一番星』に次ぐ大ヒットとなった。 奥入瀬橋の…

『トラック野郎・度胸一番星』〜報われた恋ほど怖くなる、故郷のない男たちが、道で均衡を作る

『トラック野郎・度胸一番星』は、1977年8月6日に公開された東映製作・配給の日本映画。「トラック野郎シリーズ」第5作で、主演は菅原文太、相棒に愛川欽也。ロケ地は佐渡島を中心に、新潟、関東各地へ広がる。シリーズで唯一、桃次郎がマドンナと相思相愛に…

『トラック野郎・望郷一番星』〜40トンの現実を運べ、強さは、後始末で試される

『トラック野郎・望郷一番星』は、1976年8月7日に公開された東映製作・配給の日本映画。「トラック野郎シリーズ」第3作で、主演は菅原文太、相棒は愛川欽也。配給収入12億2779万円を記録し、1976年の邦画配給収入ランキング第4位となった。 広島の台貫場を出…

『トラック野郎・男一匹桃次郎』〜バカバカしいほど真面目、優しさはアクセルで語られる

『トラック野郎・男一匹桃次郎』は、1977年(昭和52年)12月24日に公開された東映製作・配給の日本映画。「トラック野郎シリーズ」第6作で、主演は菅原文太、相棒に愛川欽也。配給収入12億1800万円を記録し、翌1978年の邦画配給収入ランキング第5位に入った…

『トラック野郎・爆走一番星』〜失恋のハンドルは離さない、失恋は発車ベル

『トラック野郎・爆走一番星』は、1975年12月公開の東映娯楽映画。大ヒットとなった前作の勢いを受け、より濃密な人間ドラマと、「昭和の道を走る者たち」の哀歓を盛り込んだシリーズ第2作である。マドンナ役はあべ静江。ライバルとなる“ボルサリーノ2”を田…

『トラック野郎・御意見無用』〜トラックとは、孤独と自由を両立させる唯一の場所

『トラック野郎・御意見無用』は、1975年8月公開の東映映画。監督は鈴木則文。菅原文太と愛川欽也の名コンビで織りなす、笑い・活劇・哀愁が渾然一体となった痛快シリーズの第1作である。本来は“盆興行の穴埋め”として作られた一本が、初日から1500人を動員…

『現代やくざ 与太者の掟』〜掟の外に立つ男、誰にも属せない男が抱えた誠実さ

『現代やくざ 与太者の掟』は、1969年公開の東映アクション映画。監督は降旗康男。菅原文太が東映へ移籍して初めて主演を張った一本であり、任侠の滅びゆく時代と新宿という無国籍都市を背景に、ヤクザにも組織にも属さない男・勝又五郎の孤独な闘いを描く。…

『県警対組織暴力』〜暴力という名の故郷へ帰るしかなかった男たち

公開年:1975年4月26日 監督:深作欣二 出演者:菅原文太、松方弘樹、梅宮辰夫など 撮影:赤塚滋 脚本:笠原和夫 音楽:津島利章 配給:東映京都撮影所 上映:100分 『県警対組織暴力』は、歴代の日本映画、いや世界映画でも最大級のパワーをもつ。『仁義な…

『木枯し紋次郎 関わりござんせん』〜無情の果てに、断つことで、世界と繋がる

『木枯し紋次郎 関わりござんせん』は、1972年公開の日本映画。監督は中島貞夫、脚本は野上龍雄。前作『木枯し紋次郎』に続き、主演は菅原文太。 東映任侠映画の中でも異彩を放つ第2弾であり、笹沢左保原作の枠を離れて、紋次郎の内面と過去に踏み込んだオリ…

『木枯し紋次郎』〜義理も仁義も吹き飛ばす、無情の風

『木枯し紋次郎』は、1972年公開の日本映画。監督は中島貞夫、脚本は山田隆之と中島貞夫。テレビで人気を博した「木枯し紋次郎」シリーズを、俊藤浩滋・日下部五朗ら東映任侠路線のプロデューサー陣が映画化した作品である。 主演は菅原文太。テレビ版のヒー…

『まむしの兄弟 懲役十三回』〜サイドカーに刻む友情の証文、笑いと血の浅草レビュー

『まむしの兄弟 懲役十三回』は、1972年公開の日本映画。監督は中島貞夫、脚本は高田宏治と中島貞夫。シリーズ第3作にして、時代設定を現代から昭和10年に移した異色作である。ゴロ政(菅原文太)と勝(川地民夫)が、吉原を舞台に、遊郭、浪曲、カフェー、…

『まむしの兄弟 お礼参り』〜借りと返しの形而上学

『まむしの兄弟 お礼参り』は、1971年公開の日本映画。監督は本田達男、脚本は高田宏治・鳥居元宏。前作の“はぐれ者”義兄弟が再びスクリーンに帰還し、依頼でも義理でもなく、〈受け取った借りを返す〉という原初の動因=“お礼参り”を掲げて突き進むシリーズ…

『懲役太郎 まむしの兄弟』〜背中の色が流れるとき、男は何に残るか

『懲役太郎 まむしの兄弟』は、1971年公開の日本映画。監督は中島貞夫、脚本は高田宏治。神戸の港町を舞台に、組織にも倫理にも属さない“はぐれ者”の義兄弟が、ゆすり・たかり・スケこましを織り交ぜながら暴れ抜く東映任侠アクションの異種交配作。菅原文太…