シネマの流星

映画とは魔法。どこでもドアであり、タイムマシン。映画館の暗闇はブラックホール。スクリーンの光は無数の星たち。映画より映画館のファン

サイレント

『ノートルダムの傴僂男』〜一杯の水が、世界を変えてしまった

『ノートルダムの傴僂男』は、1923年に公開されたアメリカ映画。ヴィクトル・ユーゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』(1831年)を原作とするサイレント大作である主演は“変身の名優”として知られるロン・チェイニー。巨大なセットで再現された中世パリと…

『雄呂血(無頼漢)』〜群れない正しさは血を流す、体制に背を向けた男の美学

『雄呂血』(おろち)は、1925年に公開された無声映画。監督は二川文太郎、主演は阪東妻三郎。阪妻が東亜キネマから独立し、自らのプロダクションを立ち上げた第1作であり、のちの「剣戟ブーム」を決定づけた記念碑的な一本である。 スタッフ 監督:二川文太…

『キートンの将軍(大列車追跡)』〜人生は列車に似ている、なぜバスター・キートンは無表情なのか?

『キートン将軍』(原題:The General)は、1926年公開のアメリカ映画。監督はバスター・キートンとクライド・ブルックマン。主演もキートンが務め、南北戦争中に実際に起きた列車強奪事件「グレイト・ロコモーティヴ・チェイス」を題材にした無声喜劇である…

チャップリン『モダン・タイムス』〜スマイルは最後の自由、歯車の外で微笑む抵抗の詩

『モダン・タイムス』(原題:Modern Times)は、1936年に公開されたアメリカ映画。監督・脚本・製作・音楽・主演はチャールズ・チャップリン。ユナイテッド・アーティスツ製作第5作目であり、産業化と機械文明に翻弄される人間を描いた喜劇映画。サイレント…

チャップリン『街の灯』〜待つという愛の、いちばん静かな光

『街の灯』(原題:City Lights)は、1931年に公開されたアメリカ映画。監督・脚本・製作・主演はチャールズ・チャップリン。サイレント映画の形式を守りながらも音楽を導入した、チャップリン初のサウンド版である。「コメディ・ロマンス・イン・パントマイ…

チャップリン『サーカス』〜綱の上で恋を手放す、去り際の哲学

『サーカス』(原題:The Circus)は、1928年に公開されたアメリカ映画。チャールズ・チャップリンが監督・脚本・主演・製作・音楽を務めたサイレント喜劇であり、ユナイテッド・アーティスツ製作第3作目となる。放浪者チャーリーがサーカスのテントに迷い込…

チャップリン『黄金狂時代』〜足音に宿る黄金、放浪者が掘り当てた“人間の金脈”

『黄金狂時代』(原題:The Gold Rush)は、1925年に公開されたアメリカ映画。チャールズ・チャップリンが監督・脚本・主演・製作を務めたサイレント長編喜劇であり、アラスカのゴールドラッシュを背景に、“黄金”を追い求める人間の姿を飢えや孤独とともにユ…

チャップリン『巴里の女性』〜演出という“透明な手”、沈黙と余白が紡ぐ人生のかたち

『巴里の女性』(原題:A Woman of Paris)は、1923年に公開されたアメリカ映画。監督・脚本・製作を務めたのはチャールズ・チャップリン。チャップリンが主演せず、喜劇から離れて初めて挑んだ本格的な心理劇である。主演はチャップリンのミューズであるエ…

チャップリン『キッド』〜路地裏に咲く笑いの子守唄

『キッド』(原題:The Kid)は、1921年に公開されたアメリカ映画。監督・脚本・主演はチャールズ・チャップリン。孤児となった少年と貧しい放浪者の共同生活を描き、世界で初めて“笑い”と“涙”をひとつの物語に融合させた長編コメディである。チャップリンは…

『ラ・シオタ駅への列車の到着』〜世界がスクリーンを突き破った日

『ラ・シオタ駅への列車の到着』(原題:L’arrivée d’un train en gare de La Ciotat)は、1896年に公開されたフランスの短編モノクロ無声映画。リュミエール兄弟が監督・製作・撮影を務めた。フランス南部の港町ラ・シオタ駅に列車が到着する様子を、わずか…

ジョルジュ・メリエス『月世界旅行』〜想像力が重力を越えた、人類が初めて夢を撃ち上げた夜

『月世界旅行』(げっせかいりょこう、原題:Le Voyage dans la Lune)は、1902年にフランスで公開されたサイレント映画。ジョルジュ・メリエスが監督・脚本・主演を務めた本作は、映画史上初の本格的な空想科学映画として知られる。ジュール・ヴェルヌの小…

チャップリン『犬の生活』〜誰かと生きるという革命、カメラがしゃがんだ日

『犬の生活』(原題:A Dog’s Life)は、1918年公開のアメリカ映画。チャールズ・チャップリンが主演・脚本・監督・製作を務めたサイレント短編であり、ファースト・ナショナル社との契約第1作となる。タイトルの “A Dog’s Life” は「犬のような人生」「みじ…

『チャップリンの舞台裏』〜太陽は裏方に昇る、笑いで巨人を倒す

『チャップリンの舞台裏』(原題:Behind the Screen)は、1916年に公開されたアメリカ映画。チャールズ・チャップリンが監督・脚本・主演を務めたサイレント短編コメディで、ミューチュアル社との契約作品としては7作目にあたる。舞台は映画撮影所。エリッ…

チャプリン『サニーサイド』〜ファニーはサニー、日常は輝く

『サニーサイド』(原題:Sunnyside)は、1919年公開のアメリカ映画。チャールズ・チャップリンが主演・脚本・製作・監督を担ったファースト・ナショナル期の中編コメディである。舞台は田舎町。ホテル兼農場の雑用係として酷使される男が、村一番の娘エドナ…

『チャップリンの冒険』〜崖の上の囚人、日常という牢獄で笑う

『チャップリンの冒険』(原題:The Adventurer)は、1917年に公開されたアメリカ映画。チャールズ・チャップリンが主演・監督・脚本・製作を務めたミューチュアル社時代の最終作である。共演はエドナ・パーヴァイアンス、エリック・キャンベル、ヘンリー・…

リュミエール『工場の出口』〜物語ではなく、時間、映画は“帰り道”から始まった

『工場の出口』(原題:La Sortie de l’usine Lumière à Lyon)は、1895年公開のフランス映画。ルイ・リュミエールが監督・撮影・製作を務めた、世界初の実写映画である。舞台はリヨン郊外のリュミエール兄弟の工場。仕事を終えた女性たちが門から出てくる。…

リュミエール兄弟『赤ん坊の食事』〜スプーン一杯の時間から、映画は始まった

『赤ん坊の食事』(原題:Le Repas de Bébé)は、1895年に制作されたフランスの短編モノクロ無声映画。ルイ・リュミエールが監督・撮影・製作を務め、兄オーギュスト・リュミエールとその妻、そして娘のアンドレ・リュミエールが出演している。 世界最初期の…

『チャップリンの移民』〜揺れる想い、体じゅう感じて

『チャップリンの移民』(原題:The Immigrant)は、1917年に公開されたアメリカ映画。チャールズ・チャップリンが監督・脚本・主演を務めたサイレント短編コメディで、ミューチュアル社との契約作品としては11作目となる。共演はエドナ・パーヴァイアンス、…

リュミエール『水をかけられた散水夫』〜世界最初の演出 、カメラが笑った日

『水をかけられた散水夫』(原題:L'Arroseur Arrosé)は、1895年にフランスで製作・公開された短編映画。モノクロ・サイレント。監督・製作・撮影は「映画の父」リュミエール兄弟が務めた。 出演は、庭師役にリュミエール家の実際の庭師フランソワ・クレー…

『チャップリンの失恋』〜愛は、去ることで完成する

『チャップリンの失恋』(原題:The Tramp)は、1915年公開のアメリカ映画。チャールズ・チャップリンが主演・監督・脚本を務め、エッサネイ社で製作されたサイレント短編コメディ。撮影はカリフォルニア州ナイルズで行われ、チャップリンが同地のスタジオで…

『チャップリンの独身』〜笑いが世界と踊りはじめた日

『チャップリンの独身』(原題:His New Profession)は、1914年公開のアメリカ映画。キーストン社製作による短編サイレント・コメディで、チャールズ・チャップリンが主演・監督・脚本を務めた。映画俳優としてキャリアを始めた年の一本であり、初期チャッ…

チャップリン『一日の行楽』〜幸福は故障中、それでも笑いのエンジンが止まらない

『一日の行楽』(原題:A Day’s Pleasure)は、1919年公開のアメリカ映画。チャーリー・チャップリンがファースト・ナショナル契約下で製作した短編コメディであり、長編『キッド』撮影の合間に急ごしらえで作られた二巻もの。 トレードマークの放浪者ではな…