シネマの流星

映画とは魔法。どこでもドアであり、タイムマシン。映画館の暗闇はブラックホール。スクリーンの光は無数の星たち。映画より映画館のファン

アート

『黄金の肉体 ゴーギャンの夢』〜文明の首輪を断ち切る、飢えと自由の画家

『黄金の肉体 ゴーギャンの夢』は、1986年製作のデンマーク=フランス合作の伝記映画。ヘニング・カールセンが監督を務め、脚本はクリストファー・ハンプトン、原案にカールセンとジャン=クロード・カリエールが参加している。主演はドナルド・サザーランド…

『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』〜包み込む黄金、切り裂く線、美か死か、その先へ

『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』は、2018年製作のイタリア発ドキュメンタリー。世紀末ウィーンを象徴する画家グスタフ・クリムトとエゴン・シーレの没後100年にあわせ、官能と死、装飾と解剖という相反の力が交錯した時代精神を、名作群と当…

『黄金のアデーレ 名画の帰還』〜奪われた美と語りの権利、忘却に抗う金箔

『黄金のアデーレ 名画の帰還』は、2015年製作のアメリカ・イギリス合作のドラマ映画。サイモン・カーティス監督が、クリムトの名画「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I(通称:黄金のアデーレ)」返還をめぐる実話――マリア・アルトマンと若き弁護士ラン…

『ゴーギャン タヒチ、楽園への旅』〜自由を求めて不自由に至る、逃避と矛盾から生まれる芸術

『ゴーギャン タヒチ、楽園への旅』は、2017年製作のフランスの伝記映画。エドゥアルド・デルック監督が、19世紀後半の画家ポール・ゴーギャンの知られざる日々を描く。主演は『ブラック・スワン』のヴァンサン・カッセル。株式仲買人から画家へと転身したゴ…

『レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮』未完成こそ天才、終わらない問いが芸術になる

『レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮』は、2016年製作のイタリアのドキュメンタリー映画。ルカ・ルチーニとニコ・マラスピーナが監督を務め、ルネサンス期を代表する芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチの多彩な才能と謎に満ちた人物像に迫る。ダ・ヴィンチ…

『真珠の耳飾りの少女』まなざしの交差点に生まれたアート

『真珠の耳飾りの少女』は、2003年に公開されたイギリス=ルクセンブルク合作映画。監督はピーター・ウェーバー。トレイシー・シュヴァリエの小説を原作に、17世紀オランダの画家ヨハネス・フェルメールと、彼の代表作のモデルとなった少女との交流を描く。…

『モンパルナスの灯』燃え尽きてなお輝くモディリアーニの炎

『モンパルナスの灯』は、1958年に公開されたフランス映画。監督はジャック・ベッケル。19世紀末から20世紀初頭のパリを舞台に、画家アメデオ・モディリアーニの短くも苛烈な生涯を描いた伝記ドラマ。アートの殿堂モンパルナスを背景に、貧困と病、酒と孤独…

『赤い風車』孤独を回す、芸術という宿命

『赤い風車』は、1952年に公開されたイギリス映画。監督はジョン・ヒューストン。19世紀末ベル・エポックのパリを舞台に、画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの生涯を描いた伝記映画。ムーラン・ルージュの喧騒と退廃の裏側に、孤独と芸術への執念…

映画『フレンチ・カンカン』燃え尽きるまで踊れ、ハイキックに映るパリ、愛も孤独も、舞踏に溶ける

『フレンチ・カンカン』は、1954年に公開されたフランス映画。監督は巨匠ジャン・ルノワール(画家のルノワールの次男)。19世紀末のパリを舞台に、キャバレー「ムーラン・ルージュ」誕生の物語を描く。伝説的な踊り「カンカン」の復活を夢見て奔走する興行…

『アートのお値段』〜値札のついた魂たち、絵画は誰のものか?

『アートのお値段』は、2018年に制作されたアメリカのドキュメンタリー映画。現代アート市場の裏側に迫り、アートとお金の関係性を多角的に描く。 スタッフ 監督:ナサニエル・カーン 製作:カーラ・ソロモンなど 撮影監督:ロベルト・リッヒマン 音楽:ジェ…

『名探偵コナン 業火の向日葵』アートの迷宮が世界を燃やす

『名探偵コナン 業火の向日葵』は、2015年に公開されたシリーズ第19作目の映画。美術とミステリーが交差する異色のアート・サスペンス。物語の鍵を握るのは、ゴッホ《ひまわり》。世界中から集められた「7枚目のひまわり」をめぐり、怪盗キッドとコナンが対…

『ゴッホとヘレーネの森 クレラー=ミュラー美術館の至宝』魂を見つめる眼差し

『ゴッホとヘレーネの森 クレラー=ミュラー美術館の至宝』(原題:Van Gogh – Of Wheat Fields and Clouded Skies)は、2018年にイタリアで制作された90分のアート・ドキュメンタリー映画。画家フィンセント・ファン・ゴッホの作品を、生前にはほとんど評価…

『フェルメールの謎 ~ティムの名画再現プロジェクト~』芸術とは、時間と絶望、閃きよりも、執念である

『フェルメールの謎 ~ティムの名画再現プロジェクト~』(原題:Tim's Vermeer)は、2013年にアメリカで制作されたドキュメンタリー映画。17世紀オランダの画家ヨハネス・フェルメールの超写実的な絵画は、いかにして描かれたのか。美術の専門家ではない発…

『炎の人ゴッホ』燃えて、消えて、最後に描いたのは、死という光

『炎の人ゴッホ』(原題:Lust for Life)は、1956年にアメリカで制作された伝記映画。原作はアーヴィング・ストーンによる同名の小説。実在の書簡と記録をもとに、画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの生涯、創作への執念を克明に描く。原題の「Lust for Lif…

『ゴッホ 最期の手紙』魂はどこまで歩いていけるのか

『ゴッホ 最期の手紙』(原題:Loving Vincent)は、2017年にポーランドとイギリスの合作で制作されたアニメーション映画。世界初となる“全編油絵アニメーション”によって、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの死の真相に迫るミステリードラマ。1万5000枚以上の…

『レンブラントは誰の手に』魂に値段をつけるということ

『レンブラントは誰の手に』(原題:My Rembrandt)は、2019年にオランダで制作された101分のドキュメンタリー映画。​17世紀オランダの巨匠レンブラントの絵画を巡り、美術に取り憑かれた人々の情熱と欲望を描くドキュメンタリー。​日本では2021年2月26日に…

『ミケランジェロ・プロジェクト』美は静かに狂わせる

『ミケランジェロ・プロジェクト(原題:The Monuments Men)』は、2014年に公開されたアメリカの戦争映画。第二次世界大戦中、ナチスに略奪された美術品を守るため、専門家たちが結成した特別部隊「モニュメンツ・メン」の奮闘を描く。アートと人間愛に捧げ…

『ゴッホ:天才の絵筆』なぜゴッホの絵は、透明なのか?「成功よりも、真実を描いた画家

『ゴッホ:天才の絵筆』(原題:Moi, Van Gogh / Gogh: A Brush With Genius)は、2009年にフランスで制作された40分のドキュメンタリー映画。ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの画業と人生を、IMAX技術を駆使した映像体験として再現する。Prime Videoで配信され…

『ゴッホ 真実の手紙』名優と名文の競演

『ゴッホ 真実の手紙』(原題:Van Gogh: Painted with Words)は、2010年にイギリスで制作されたBBCの50分のドキュドラマ作品。画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホが生前に弟テオや友人たちに宛てた膨大な書簡をもとに、ゴッホの人生と内面を再構築する。Ama…

『永遠の門 ゴッホの見た未来』絵画は炎、映画は影、画家に迫った一発の芸術弾

『永遠の門 ゴッホの見た未来』(原題:At Eternity’s Gate)は、2018年に公開されたアメリカ・フランス・イギリス合作の伝記映画。画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの晩年を、ゴッホ自身の視点から詩的かつ内面的に描き出す。孤独と狂気、芸術への情熱のは…